カウンセリングを利用される妊活中のカップルによく見られるのが、「温度差」の問題です。妊活のために生じる温度差、結婚生活のイメージや夫婦関係そのもののズレに妊活をきっかけとして気づくことによる温度差など、その原因や解決の仕方にはそのカップルごとに違いがあるため、「こうすればよい」という特効薬は残念ながらありません。しかし、多くの方に共通して見られる温度差の問題もたしかにあります。ここでは妊活カップルによくある「温度差」への対応を考えてみます。今悩んでおられる方、これから自分たちが遭遇するかもしれない問題として、参考になれば幸いです。
男性の不満① 「どうして彼女は焦っているんだろう?」
多くの男性から聞かれる言葉です。なかなか妊娠できないことがつらいのはわかるけれど、焦ったからといって妊娠するわけでもないし、今できることをするしかないじゃないか、そうパートナーに伝えても、「真剣味が足りない!」と怒られてしまい、途方に暮れてしまうかもしれません。
しかし実際、女性の年齢と妊娠の関係は、男性のあなたが考えているより、たいていずっとシビアであることを知りましょう。年齢の限界を意識すると、どうしても焦ってしまうのです。そんな時に、「焦るな」「もっと気楽に」と言われても、それは何の役にも立たないことをまず認識しましょう。
あなたは焦っていなくても、彼女が焦っているのは間違いないわけですから、まずは女性の焦る気持ちをそのまま受け止めてから自分の思いを伝えると伝わりやすいかもしれません。「そのまま受け止める」というのは、そレに同意することとは異なります。同意できなくても、彼女が焦っていることその事実をそのまま認めて、「あなたは年齢のことが気になって、とっても焦ってるんだね」とだけ言えればまずはよいでしょう。
そのうえで、「たしかに二人とも子どもを望んでいるのになかなかできないのは辛いから、早く何とかしないとと思って焦るのはしょうがないと思うんだ。でも、最近の君を見ていると、その焦りのせいか、冷静さを失っているようにも見えて心配になるんだ。これからの二人の人生にかかわる大切なことだから、僕もしっかり一緒に考えたいと思ってる。なかなか僕は男だから実感が持ててないと思うかもしれないけれど、僕なりにこれからのことも考えているから、お互いの考えや気持ちをちゃんと分かち合えるよう、落ち着いて話ができると嬉しいな」こんな感じで言ってみてはどうでしょうか。今までとは彼女の反応が変わるかもしれません。