11月14日(日)に、東京公認心理師協会(旧臨床心理士会)主催のオンライン研修会「パイオニアに聴く」の講師を務めました。
この研修会は、基本的に若手の臨床心理士や公認心理師の方を対象としたもので、まだ一般的でない領域で活動してきた心理士を講師として、心理職の活動領域を広げていこうという企画です。これまで、視覚障害者の方との心理支援、被疑者取り調べにかかわる心理支援をしておられる方などまさにパイオニアの先生方が登壇されており、そこに私が生殖・不妊領域の心理臨床のパイオニアとして講師の依頼があったのです。“パイオニア”というのはなんとも面映いですが、私も25年近くこの領域で私なりに頑張ってきたご褒美かなと思い、ありがたく引き受けました。
当日はZoomを用いたオンライン研修で、70名近い方にご参加いただきました。協会事務局の方に伺うと、ご自身が不妊当事者でもある心理専門家の方も参加しておられるとのことで、不妊は本当に身近なことなのだと改めて思いました。
研修では、不妊治療の基本的な知識から現在の動き、不妊の方への心理支援の歴史と現状についてお話し、私の臨床について紹介させていただきました。皆さん熱心に聴講され、質疑応答では時間に収まらないくらいたくさんの質問をいただきました。不妊治療中の患者さんと精神科で関わっておられる心理士の方や、児童臨床で不妊後のご家族と関わっておられる方からのご質問やコメントも有り、大変充実した3時間の研修となりました。
参加者の皆さんに感謝するとともに、このような研修の機会をくださった東京公認心理師協会の職能・研修委員会の先生方に深く感謝申し上げます。
この研修をきっかけに、心理職のみなさんが不妊の方への心理支援に関心を持ってくださったことが何より嬉しく、これからも専門家の方々への啓蒙活動もがんばりたいと改めて感じた1日でした。